takeshiの街道を歩く
ぶらり歩き | |||
29. 伊豆半島を歩く (3) | 平成24年3月24日 | ||
伊豆長岡駅を過ぎて、幕末日本の近代化の努力を示す象徴のひとつといえる韮山反射炉を見物するために、道路標識(写真9)に従い寄り道する。平屋の家と畑の続く道では、真昼の陽射しを避けるものがなく、3月とはいえ暑さが上から下からと伝わり、体に堪える。 レンガ積みの反射炉(写真10)は鉄骨ブレースで補強され、それがデザインとなり、春の青空を背景として新鮮な美しさを感じさせる。反射炉は幕末日本の国防問題を直に伝える国の史跡に指定された構造物であり、韮山代官・江川太郎左衛門の偉業を今日に伝えている。書物から得た知識を駆使して、鋳鉄製24ポンドカノン砲(写真11)を造り出した、当時の日本の技術力の高さと意志力の強さに感心させられる。そして、これらは実戦で使用されることはなかったのであろうが、実際に列強諸国の江戸侵入に備えて品川沖のお台場に設置された。 反射炉を離れて国道136号線の方に戻り、下田街道の旧道(写真12)伝いに南下する。この道は国道136号線や伊豆箱根駿豆線を右に見てほぼ並行しているが、一段高いところを通っていて国道を往来する自動車、電車を見下ろすことができる。隋応寺を過ぎて一旦、鉄道と国道136号線をわたるが、田京駅のところで再び元の並びに戻る。広瀬神社から先は商店がちらほらと建ち並び、現在は国道に往来の中心を奪われたものの、旧街道の面影を感じられる。建物が少し増えてきたあたりに、街道であったことを示す下宿バス停が立っている。ここまで来ると、修善寺も伊豆箱根駿豆線と狩野川を渡るだけとなるが、踏切の手前に日帰り入浴300円の看板を見つけ、三人相談の上、この一二三荘の温泉で汗を流し、本日は大仁で切り上げることする。浴槽はそれほど大きくはないが、先客は一人しかおらず十分な広さである。 汗を流してさっぱりした気分と体になり、大仁駅から電車に乗り、三島駅に戻る。三島駅前の居酒屋で待ちに待ったビールで喉を潤す。今年初めてのウォーキングもほぼ晴天に恵まれ、幸先の良いスタートを切ることができた。 |
写真9 韮山反射炉の道路標識 |
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写真10 韮山反射炉 |
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写真11 24ポンドカノン砲 |
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写真12 下田街道旧道 |
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